No.3「風流な屋形船について考える」

だいぶ前になりますが、職場の歓送迎会があって、屋形船なんぞに 乗って参りましたですよ。
総武線の浅草橋から歩いて数分のところに、三浦屋という船宿があ り、そこから約2時間半くらいの船上宴会を致した次第です。
私などは、このときが初体験でありまして、何でも初体験のときは緊張 したり、うれしくなったりするものですが、この世に生を受け て数十年、風流なお遊びでもと思っていたところ、一体全体何が風流か!?
単なる動くカラオケ酒場で、出てくる食事は一応海の幸。
刺身、天ぷら(中には、サツマイモ、茄子もある)など、そこそこに満足したものの、 何かちょっとちがうような..。

江戸時代のように、船頭さんの“ギィーコ..ギィーコ”というスローモー ではあるが、小気味のいいのんびりムードの中。
しだれ柳の風景の脇をチントンシャンという三味の音色に、色っぽいお姉さんの小唄なんぞを聞いている。
すると、これまた別の綺麗どころから
「さ、おひとつどうぞ」などと
右手で徳利の口をちょんと摘んで、もうひとつの手で袂(たもと) の下から徳利の底を押さえながら、盃にススーッと注いでくれたりする。

杯を重ねて、ほろ酔いを越えてくると、ついつい眠気も出たりして、 ぽっちゃりとした太ももに枕して、うたた寝をしたりする..
てなことまで期待はしないまでも、もうちょっとは、風流なもんかと思っていたのに残念ではありました。
しかし、風流とお色気を混同しているとお叱りを受けそうな気配もいたしますので、このへんで。