1.「知足について」

 

  春は花 夏ほととぎす 秋は月 冬雪さえて すずしかりけり -道元-

  形見とて 何か残さむ 春は花 山ほととぎす 秋はもみぢ葉 -良寛-

  春は花 夏は泉に 秋は月 冬の雪をば友とこそすれ -柳生兵庫助(柳庵如雲)-

 自然に勝るものは無い。
 欲を捨て、足るを知り、あるがままの今をすべて受け入れてみよう。
 それが出来たら、何気ない四季の移り変わりも感じ取れることであろう。
 草花の息吹や土のにおい..

 「満ち足りる」ということは、物やお金だけでは味わえないと気付くはずだ。
 勿論、物やお金は、あればありがたいに決まっている。大欲を持つことも悪くはない。
 只同時に、今日一日の現実世界を、満ち足りた気持ちで生活して欲しいのだ。
 それは、独身の時も、やがて結婚して夫や子供と生活する時も同じだ。

 同じ物を食べても、おいしい、と満足する人。しない人。
 同じことをしても或いはされても、ありがたいと感じる人。不平不満を並べる人。
 あるがままの現実を受け入れる人、他人の芝生ばかりを眺める人。

 ものの本によれば、この世に君たちが生まれてきたこと自体、1億円の宝くじに連続100万回当たった ような凄いことらしい。
 だから、どんなときでも、気持ちの持ちようが大切だ。
 当人次第で、笑って過すか泣いて過すか、決まると思うのだ。
 メッセージの最後に次の言葉を君たちに贈ろう。

 幸せはいつも自分のこころが決める -相田みつを- 

(2000年暮れ記)